これから3Dプリンターを買おうとお考えの方へ ルアービルド目的ならどっちを選ぶべきか
以前私は積層型の3Dプリンターを使ってルアーを製作していましたが、現在は 光造形タイプへ完全に移行しています
両方を実際に長期間使ってきた上で、今からルアービルド目的で3Dプリンターを導入しようと考えている方に向けて、正直な部分を書いておきたいと思います
よくネットではFDMは安い、レジンは綺麗、という単純な比較がされていますが、ルアービルドという用途に限定して考えると、 実際はもう少し違った見え方になります
まず前提として、個人のルアービルダーはメーカーのように何百個も量産するわけではありません
自分で使う分、仲間にあげる分、販売目的でない趣味レベル、この範囲がほとんどだと思います
積層型の場合フィラメントは1kgで約2000円、光造形の場合レジンは1kgで約4000円と倍以上の価格差がありますが、ルアー1個あたりで考えると差は数十円程度
削り作業が数時間短縮できるなら、その差額は どうでもよくね?っと思いますw

正直な話ルアービルダーは積層型の場合フィラメントにPLAをあまり使いません
なぜならPLAは安全なフィラメントである反面硬く割れやすく削れないからです
しかも比重がABSよりも重くなり、ウエイトがききにくい素材になってしまいがちです
強度や加工性を考えるとABSを使う方が多いと思いますが、ABSはどうしても溶解臭があり、換気は必須、多少なりとも有害ガスも発生します
さらに積層型はモーター音やファン音もそれなりにあるため、深夜稼働は環境によっては厳しい場合もあります
そして一番大きい問題なのが仕上げ工程です
積層型の場合、造形が終わってすぐ塗装というわけにはいきません

この写真のように積層型は造形後に積層痕と言われるこの薄い線をサンドペーパーで削る作業が必要になります
最近ではよりこの積層痕が目立ちにくい機種なども出てはいますが、ノズルで打ち出している現状ではこの問題からは脱却できないとおもいます
その為全体をペーパーで削る、サフを吹く、段差を確認する、パテで埋める、再度削る、またサフを吹く、そこからやっとカラー塗装に入る
この工程がほぼ前提になります:( ;´꒳`;):
曲面が多いルアー形状では積層痕が目立ちやすく、削り工程は避けて通れません
削りで微妙に左右差が出ることもありますし、貼り合わせ構造の場合は精度にも影響します
本当に細かい造形には不向きだし、貼り合わせタイプやジョイントもなかなか厳しいと言わざるをえません

レジンは面倒というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、それは昔の話です
昔はレジンは強度も弱く粘りもないので、ルアー制作には不向きと考えられていました
しかし、それもABS-like素材と言う耐衝撃性能や曲げても折れない粘りのある柔らかさも兼ね備えたレジンが誕生しました
それでもプリント後にIPA(シンナー等)による薬品での洗浄作業が必須だったために、多くのルアービルダーは積層型を選択していました
部屋でシンナー臭はちょっとネェ・・・(;'∀')
しかし、そんな中誕生したのが 水洗いABS-like です
水洗いABSライクレジンを使えばIPA(シンナー等)は不要、水と筆で洗浄でき、洗浄水は硬化させればレジンと水が分離するので処理も比較的楽です

この写真のように光造形では1200dpiの高解像度でスキャンしてやっと積層痕がとらえられる程度しか積層痕がありません
この積層痕は指で触ってもどこが段差なのか感じ取れないレベルです・・・
しかも、この積層痕・・・光造形の積層痕を写真で撮りたかったので、一番荒い設定?0.05mmでプリントアウトしました(;'∀')
実際私の購入したプリンタは0.02mmの精度で印刷できるので、そうなるともう肉眼でもほぼ見られないんじゃないかと言うレベルになります
そこまでこだわりのない人間であれば、多少ペーパーを軽くかけただけで、塗装に行ける綺麗さです:( ;´꒳`;):
さらに今の機種はオートレベリング搭載、レジンを入れてデータを送ってスイッチを押すだけで印刷が始まります
設定で悩んでいた昔のFDMの初期調整と比べると、かなり楽になっています
FDMの実用層厚は0.16から0.20mmあたりが現実的です
光造形は0.05mm運用が実用レベルで、必要なら0.02mmも可能

0.2mm浮かせた鱗模様も余裕で再現します
数字だけ見ても 約10倍近い制度の差 があります
0.05mmで出力した光造形のルアーは肉眼でうっすら積層痕が見える程度だし、トップコートを吹けばほぼ分からなくなります
削り工程が大幅に短縮されるということは、単に楽というだけでなく、左右精度や嵌合精度、再現性の安定にも直結します
積層型では完全な透明はほぼ不可能です
しかしルアー制作において、少し透けているルアーとか・・・作りたくなるんですよねぇ:( ;´꒳`;):
光造形ならクリアレジンを使い、内部にUVコートを施し、外側をクリアコートすれば ガラスのような透明感 が出せます
積層型では諦めていた構造や演出が、光造形では普通に実現できます
ただ、やはり匂いは100%カットできないし・・・安全面とコストを考えて積層型を選択するのも間違いと言うわけではありません
がっ!
安全面とコストを考えて積層型を選択するのも間違いではない?そんな当たりさわりない記事とか当サイトでは言いませんw
よくあるんだよこういうまとめ方するサイト、どっちも正解ですよとかおべっか使って結局どっちがおすすめ何だかわかんない記事ばっかはびこってるんだよ
うちのサイトは特に文句言われようと管理人の独断と偏見で記事を書いていきます(=゚ω゚)ノ
ルアービルディングを本当にやりたいなら!
必ず光学式プリンターを買え!!
以上!
一応ルアービルド目線でおすすめを2つ紹介しておきます
光学式プリンターを購入する際は、12Kとか16Kとかいてあるからという事に騙されずに、必ずドットの大きさをチェックするようにしてください
目安はそこになります
9Kクラスの高解像度、ドット18×18ミクロンのXY精度、0.02mmで十分すぎる品質
プリント速度も速く、使用してみての感想はもう最高としか言えない
AIカメラ監視機能付きでスマホから印刷状況を確認できるのも安心材料です
気になる次世代モデルの存在ですが
MARS 5 Ultraが2024年と来ている流れを見ると、2026年にMARS 6が登場するかもしれませんが
近年の光造形プリンターは解像度がすでに肉眼限界&LCDの限界に近づいており、9Kで約18ミクロンという領域まで到達しています
ルアービルド用途で考えると、これ以上の解像度が本当に必要かと言われれば、今後の機種で大きくそれが進化できる方向にはいかず
今後進化するとすれば、解像度よりも印刷速度の向上やAI失敗検知の精度向上などの方向になる可能性が高いとのこと
つまり現行世代はもうすでに完成度が高く、今購入しても型落ちで後悔するようなタイミングではないというのが率直な印象ではあります
Saturn 4 Ultra 16Kはドット14×19ミクロンの高精細LCDを搭載し、理論上はX方向により細かい表現が可能なモデルです
一方でMars 5 Ultra 9Kは約18×18μmの正方形ピクセルを採用しており、XYのバランスが良く安定した造形ができるのが特徴です
ルアービルド用途では体感差はほぼ分からないレベルであり、数字ほど大きな差は感じにくいとおもいます
Saturn 4 Ultra 16Kがおすすめなのは、大型造形をしたい方、複数同時にたくさん出力したい方、価格帯に余裕があり設置スペースも十分に確保できる方のみです
注意しないといけないのは16Kだから圧倒的に9Kよりも綺麗に印刷できるだろ?っと勘違いしないこと、ドットで考えるともうあまり違いはありません
インチが小さいから9Kになってるだけです
ビルドサイズが大きいためフィギュア制作や大型パーツにも対応でき、将来的に幅広い造形を楽しみたい方には向いている機種と言えます
一方で10cm前後のルアービルドが中心であれば、サイズ感やコストバランスを考えるとMars 5 Ultra 9Kでも十分以上の性能だと思います
用途と設置環境、そして予算を基準に選ぶのが現実的であり、解像度の数字だけで判断する必要はありません
ルアー作るだけならSaturn 4 Ultra 16Kはいらないかなぁと言うのが正直な感想です
◆ 最終的な考え ◆
でも匂い問題あるし・・・私に光学式は無理だ・・・とか思ってるそこのあなた
ルアービルドするなら結局ABS使うことになるの!
そうしたらね!
積層型だろうが光学式だろうがどっちも匂いが出るんだよ!
じゃあどうするか・・・私がその運用の仕方を教えます
換気ダクトが設置できない方!!
ELEGOO Mars 5 Ultra 9Kを買って、プラダンで箱を作って内部にプリンターを置けるようにする
そして その箱の中に活性炭入りの空気清浄機を設置 する
プリンター運転中は空気清浄機を動かす
窓開けれるなら少しだけでも開けておけばもっと安心
プリンターが終わったらプリンターの清掃をする際にだけ少し換気をする
使うレジンは ELEGOO 水洗い可能なABSライク のクリア色のみ!
クリアタイプはかなり低臭で私も使ったけどほぼ匂いしません
以上のことを守れば自宅でも運用可能です
もしそこまでしてもまだくさいと言う方は、極度に神経質だし3Dプリンター向いてないしやめとけ(=゚ω゚)ノ
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